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カラテ愚連隊

銃の密輸で私服を肥やす悪党一味。そのブツを横取りした愚連隊の数奇な出会い、運命を描いたカンフーアクション。
'73年、『過客』として製作されたが過激な描写ゆえ上映禁止となり、ゴールデン・ハーベスト社が買い取り再編集。'75年に『鐵漢柔情』と改題され公開された。
フォン・ハックオン扮する用心棒が、登場場面で鳥かごを手にしているなど、”ウー印”をいろいろ探したい。
先日、ジョン・ウー監督に取材する機会を得た。11月に封切られる最新作、100億円もの巨費を投じた『レッドクリフ』のキャンペーンで来日したのだった。
実物のウー監督は恰幅よく貫禄もたっぷりだったが、気軽に「ウーさん」と呼びかけたくなるほどフランクな人柄で感動した。
もし事前に監督デビュー作であるこの『カラテ愚連隊』に出会い、観ていたら、話題に出して質問もしていたことだろう。惜しかった。
何しろ、本作は今回初ソフト化されたレア作。
'70年代のカンフーブームの最中に作られた一本だが、まさしくウー映画の原点なのだ。
なるほど、デビュー作にはその監督の本質が映っているという。本作には、名物の二丁拳銃は登場しないし、白いハトも飛ばないが、しっかりとジョン・ウー美学が刻まれている。
それは、一言で記せば「義」。
男と男の、尋常ではない絆。たった一度の出会い、しかもカンフー勝負で腕を認め合った相手のために、愚連隊のチェン(ユー・ヤン)は巨悪に挑み、「義」に殉じる。
ラスト、敵の用心棒との壮絶バトル。雌雄を決した後に挿入される、落ち葉のスローモーションショット。これぞウー印の原型である。
ちなみに、当時”陳元龍”の名で活動していた若きジャッキー・チェンが出会い、武術指導を担当、ウー監督は主人公の窮地を警察に伝えに行く手下役で一瞬顔を見せている。
その痩せた、貫禄ゼロの姿を瞼に焼き付けておこう。
そうして、私財10億円を投入した、やはり男と男の「義」が沁みる『レッド・クリフ』を観よう。感慨はまた格別だと思う。

僕の彼女はサイボーグ ぺヤングマキの悶々うぉっちんぐ

冴えない大学生と、未来からやってきたサイボーグの美女との出会いと恋をファンタジックに描いたラブストーリー。監督は『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン。
綾瀬はるか扮するダッチワイフが、実は人の心を持つサイボーグで、人間の男に出会い恋をした!というストーリーかと勝手に思ってました。すみません。
というのも、本作の劇場公開とちょうど同時期に、速水もこみち主演でロボットと人間の出会い・恋愛を描いたテレビドラマをやっていたからです。
もこみちが扮する彼氏型ロボット(キスをすると起動する)が、ご主人様の女に「セックス・しよう!」と心のない笑顔で迫るのが妙にリアルで、毎週欠かさず観ていたんですが、本作のタイトルから、その女版かとすっかり思い込んでいたのです。
決して、綾瀬はるかがダッチワイフ顔だからとか、そういう理由ではありませんよ。
ところがどっこい、本作はそんな私の思い込みをぶっ飛ばすほどスケールの大きい、時空を超えたSF出会いラブストーリーでした。
東京大震災とか起こっちゃうし。でも、話が大震災まで大きくなると、単純に『地震ってコワいな』とか『都庁が崩れるとこうなるのか』とか、そういうことばかりが気になってしまい、ラブストーリーに集中できない感がありました。
あと、彼女のいない冴えない大学生役・小出恵介の部屋がどう考えても日本にはない外国の小洒落たアパート風だったのも気になりましたし、出会いがなく彼女ができなくて1年間ボーッと過ごしてるような大学生の小出恵介が科学者になったという設定も、どうも気になりました。
と、ひねくれた目線で観つつも、なぜかクライマックスで泣いてしまった私なのでした。
これはこの監督のマジックなんでしょうか?不思議です。
最後に、どうでもいいのですが、巷の彼女のいないフリーの男の間では、最近はダッチワイフではなくオナホールが熱いらしいです。

暴力脱獄 特別版

パーキングメーターを壊した罪で投獄されたルークは囚人を非人間的に扱う刑務所に反感を覚え、何度捕まっても脱走を繰り返す。そんな姿は囚人仲間の気持ちにも変化を及ぼす。
先日他界したポール・ニューマンの代表作が、新たな特典を収録して再リリース。
ニューマンは反骨精神を持つ囚人ルークを演じ、オスカーにもノミネートされた。28分のメイキングは回想形式のものになっている。
これがデビュー作だったスチュアート・ローゼンバーグ監督は、「最初、コロンビア映画が脚本家を指定する条件でGOサインを出してくれたが、ラストで主人公が死ぬとわかると急に手を引いた」と、映画の発端を笑いながら語るが、指名を受けた当の脚本家フランク・R・ピアソンは「どうして自分だったのか、今でも謎だ」と、ハリウッドシステムの不可解さを指摘。
ポール・ニューマンはこの特典の収録時、すでに引退していたのか、まったく姿を見せないが、共演者は彼への賞賛を惜しまない。
本作でオスカー助演男優賞受賞のジョージ・ケネディは「彼はとことん役を考え抜き、細かい点にも徹底的にこだわった。簡単にできることじゃない」と尊敬の念を表し、他の共演者は「暑い日には車のトランクから冷えたビールを持ってきてくれた」とニューマンの気さくな面を伝えてくれる。
また脚本家ピアソンは、そのニューマンから「僕に合わせた本は書かないでくれ」と頼まれたことを明かす。
若い映画ファンには彼を知らない人も多いだろうが、この作品との出会いでその偉大さをぜひ知ってもらいたい。

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